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堀井隆行のペットの気持ちColumn

住商アグロインターナショナル ハーツ事業部"
Vol.8

犬と猫の視覚

著者:堀井隆行
犬や猫にとっては
何が見えやすい?

 愛犬や愛猫と生活していると、目に見えている風景が人と一緒だとついつい思いがちです。しかし、犬や猫の目は人と同じようには見えていません。人の目は、明るい場所で止まっているものがはっきり見えるので、視力の基準になっています。一方、犬や猫は明るい場所で止まっているものは多少ぼやけて見えてしまうので、見えにくいのです。それでは、犬や猫にとっては何が見えやすいのでしょうか。

人間の目と犬・猫の目の違い。タペタム(輝板)の有無。
夜行性の犬・猫の目にはタペタム(輝板)があるため光をあてると反射する。

 まず、犬も猫も本来は夜行性の動物です。そのため、犬や猫の目は暗い場所でよく見えるようにできています。人が物にぶつかってしまいそうな暗さでも、犬や猫にはしっかり見えているのです。そのヒミツは、目の細胞にあります。目の細胞には、明るい場所で働く細胞と暗い場所で働く細胞の2種類あり、犬も猫も目の細胞のほとんどが暗い場所で働く細胞なのです。その数は人の3倍以上ともいわれています。また、目の奥に光を増幅する反射板(タペタム)があることも暗い場所で見えやすいヒミツの一つです。

 次に、犬も猫も本来は狩りをする動物です。そのため、犬も猫も動いているものに対してとても敏感に反応して、目が俊敏に動きます。つまり、「動体視力」に優れているので、止まっているものよりも、動いているもののほうが犬や猫には見えやすいのです。これは、愛犬や愛猫とおもちゃで遊ぶときや、コミュニケーションをとるときに知っておきたいことです。おもちゃは、犬や猫の前で左右や上下、八の字などに動かしてあげたり、転がしたり、バウンドさせたりすることで、気をひきやすく、夢中になりやすくなります。動きに緩急をつけると見え方が変わるので、より効果的です。ぜひ愛犬や愛猫と遊ぶときに試してみてください。また、コミュニケーションをするときには、人の表情や身体に動きがあるほうが、犬や猫にとってわかりやすくなります。実際に犬や猫は、日常生活の中でお出かけするとき、ご飯をくれるとき、シャンプーをしようとするとき、怒るとき、などに飼い主さんがどう動くのか知っています。「あれ?なんでわかったんだろう?」と思ったことはありませんか。飼い主さんが思っている以上に、愛犬・愛猫は飼い主さんの一挙手一投足をよく観察しているので、上手に活用してください。

優れた動体視力で動くものに反応して遊ぶ猫
優れた動体視力で動くものに反応して遊ぶ猫
犬や猫は色がわかるのか?

 人が見ている風景には、たくさんの色があります。愛犬や愛猫が使う首輪やリード、お皿、おもちゃ、お洋服などの色にこだわっている飼い主さんも多いでしょう。では、犬や猫に色はわかるのでしょうか。実は、一昔前まで犬や猫は白黒の世界に生きていると考えられていました。しかし、現在では犬や猫にも色覚があることがわかっています。とはいうものの、人と同じように多くの色を鮮明に見分けることはできません。

人間の目と犬・猫の目の色の見え方の違い ※イラストはイメージです ※イラストはイメージです

 人も犬も猫も、色がわかるのは明るい場所で働く目の細胞のおかげです。犬や猫は、この細胞の数も種類も人と比べて少ないのです。特に大切なのは種類で、人の場合は赤色・青色・緑色の三原色に反応する細胞をもっていますが、犬や猫は赤色に反応する細胞をもっていません。そのため、犬や猫にとって紫色は「青っぽい色」、黄緑色・オレンジ色・赤色は「黄色っぽい色」、青色と緑色の中間色は「灰色っぽい色」に感じられているのではないかと考えられています。もし犬や猫に色の区別をはっきりとつけてほしい場合には、暖色系と寒色系の組合せがよいでしょう。実際に犬や猫が色をどのように感じているかは想像の域を出ませんが、人とは異なる色彩感覚をもっていることだけは確かです。

目を見れば気持ちもわかる?

 猫の目を見ていると、黒目の大きさが小さくなったり、大きくなったりしているように見えます。不思議だと思ったことはありませんか。実は、猫の“黒目”に見えるものは“瞳孔”なのです。猫の瞳孔は、明るい場所では縦長に細く、暗い場所では丸く大きくなります。これは、目に取り込む光の量を調節しているのですが、心の動きによっても瞳孔の大きさが変わります。具体的には、驚きや恐怖、緊張などがあると明るい場所でも瞳孔は大きくなります。大きく開いた瞳孔は、大きな黒目のようで可愛らしいですが、それが明るい場所だったら何かに怯えているのかもしれません。なお、人や犬でも目の中心をよく見ると同じように瞳孔の動きが見えます。
 また、人と犬の目は白目が見えますが、猫は見えません。白目が見えていると、視線がどこを向いているかわかりやすくなります。実は、ほとんどの動物は視線を隠すので白目が見える動物は珍しいのです。人も犬も視線をコミュニケーションに使う動物なので、人と犬とはアイコンタクトでわかり合えるわけです。人と犬が最良の友といわれる理由の一つがここにあるかもしれません。
愛犬・愛猫の目の動きをよく観察すると、より気持ちがわかるかもしれませんね。ちなみに、知らない犬や猫の目をじっと見続けると嫌がられることがあるのでご注意ください。