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堀井隆行のペットの気持ちColumn

住商アグロインターナショナル ハーツ事業部"
Vol.11

猫のトイレの失敗は要注意!?

著者:堀井隆行
猫にトイレを教えるのは簡単?

 犬と比べて猫にトイレを教えることは簡単です。トイレを準備しただけで、ほとんど何も教えていない飼い主さんも多いことでしょう。これには、猫がもつ「排泄物を埋めて隠す」という動物種特有の行動が関係しています。子猫は、生後1ヵ月を過ぎると、自然に自分の排泄物を埋めて隠す行動を起こし始めます。そこに、排泄物のニオイの手がかりや母猫からの学習が加わり、次第に特定の場所で排泄することを覚えます。多くの場合、飼い主さんは掘ることができる程度にトイレ材(いわゆる“猫砂”)を敷いたトイレを準備し、猫が使いやすい場所に置き、猫を導いて確認させる程度で、猫自身が「排泄物を埋めて隠すことができる場所」であるトイレを排泄場所として選択してくれるようになります。

猫のトイレの様子

 このように、容易にトイレを覚えてくれる猫にも、実は排泄に関する問題はあります。まず触れておきたいのは、生理的な排尿ではない、尿によるマーキング行動です。猫の尿マーキングは、とくに未去勢の雄猫に多く、“スプレー”と呼ばれる独特のマーキングをします。その呼び名の通り、壁などの垂直面に立ったまま尿をスプレーのように噴出します。この手のマーキングは繁殖期と関係しているため、春にピークがあり、秋から冬にかけて減少することが知られています。性的な理由のマーキングは、去勢することによって治まることが期待できます。しかし、繁殖以外にも他の猫の存在や環境ストレス、学習などが原因となって尿マーキングが増えることもあります。そのような場合、去勢済みの雄や雌でもマーキングすることがあり、スプレーではなく通常の排尿のような姿勢で床面にマーキングすることもあります。いずれにせよ、マーキングが目的である場合、「排泄物を埋めて隠す」という生理的な排泄とは切り離して考える必要があり、性的な理由を除けば心理的な問題である場合も多いため、愛猫の心理的ストレスに注意してあげることが必要になります。

実はあれこれと神経質な猫のトイレ事情?

 猫はトイレが使いやすければ、それほど飼い主さんが教えなくても使ってくれるとはいうものの、「使いやすさ」について何かと神経質な部分があります。まずは設置場所についてですが、主な生活空間から遠いことで使い勝手が悪い場所、人通りが多かったり嫌な物音がしたりなど落ち着かない場所、風通しが悪くニオイがこもって不衛生な場所などに設置されたトイレは使わないことがあります。次に、トイレ材の好みも関係します。市販製品だけでも、砂状や紙パルプ、木製パルプなど様々な材質と粒の大きさがあり、猫が感触を気に入らない場合にトイレを使わないことがあります。さらに、トイレの形状にも好みがあり、ドーム型を好む個体もいれば、上部が開放している形を好む個体もいます。また、清潔感はとても重要で、トイレが汚れていると使わないことがありますし、尿と糞を別々にしたがる猫もいるようです。多頭飼育をしている場合は、他の猫が使用したトイレを使わないこともあります。

このように、何かと神経質な猫が使いやすいトイレを準備するのも一苦労です。基本的には、使いやすいトイレは使い続けてくれるので、猫がトイレを失敗する場合には、設置場所周辺の環境やトイレ材、トイレの形、トイレの数、清掃の状態、他の猫の影響などを確認して、猫が使いたくなくなるような変化はないか注意してあげることが必要になります。

トイレの失敗は病気の場合も多い!?

 トイレを教えることは簡単な猫ですが、猫がこれまでずっと利用してきたトイレでの排泄を失敗するようになった場合は、病気の可能性を考えることも必要になります。最も有名なものとしては、猫下部尿路疾患(膀胱炎や尿結石などの総称)がありますが、その他にも糖尿病や腎盂腎炎など複数の病気に排泄の失敗を引き起こす可能性があります。

猫のトイレが失敗していないかチェックする

排泄の頻度や排泄物の状態、食欲・体重・被毛の変化など、排泄の失敗以外の愛猫の状態を確認して、心配なことがあればかかりつけの動物病院で検査を受けると安心です。
排泄行動の変化は健康状態のサインです。日々、愛猫のトイレを綺麗にしながら健康状態を確認してみてください。