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堀井隆行のペットの気持ちColumn

住商アグロインターナショナル ハーツ事業部"
Vol.19

子どもとコンパニオンアニマル

著者:堀井隆行
ペットからコンパニオンアニマルへ

日本では家庭で飼育する動物のことを長らく「ペット(愛玩動物)」と呼んできました。今でも一般的にはペットと呼ぶことが多いですし、馴染みがあると思います。しかし、2000年以降、「ペット」に代わり「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」という呼び方が広まってきています。この呼び方の変化は、家庭で飼育される動物たちと人との関わり方が、より密接になってきたことに由来します。「ペット」という呼び方は「観賞用」というニュアンスが強いため、人と動物の豊かな相互作用(コミュニケーション)の要素を表現するために、「人生の伴侶としての動物」ということで「コンパニオンアニマル」という呼び方が出てきました。また、「愛玩」の「玩」には「おもちゃ」という意味があるため、イメージが悪いという理由もあったようです。

このように、呼び方の変化そのものは、ニュアンスやイメージの問題が大きいです。しかし、犬や猫に代表される、人と豊かにコミュニケーションすることが可能で、家族の一員としてともに人生を歩んでくれる動物たちによって、人の生活が豊かになることが社会的に認知されてきたということを象徴する変化ではないでしょうか。家族の一員として様々な恩恵を与えてくれる愛犬や愛猫に敬意を示す呼び方が「コンパニオンアニマル」だと言えるかもしれません。

コンパニオンアニマルとの生活が子どもに与えるメリット

コンパニオンアニマルは人の生活を豊かにしてくれる存在ですが、その恩恵を受ける対象には当然子どもも含まれます。まず、家庭内に人以外の生物が存在することそのものが、子どもたちが自然や生態系というものに興味を持ち、意識する入口になります。次に、触れることにより、体温のぬくもりや毛の感触などから「いのち」を感じたり、リラクゼーションにつながったりします。そして、動物との言葉を介さないコミュニケーションは、相手の立場に立つことの大切さを知るきっかけとなります。日々のコミュニケーションから子どもたちは、コンパニオンアニマルに愛着をもつようになり、“友達”や“兄弟”のように大切な存在を得ることができます。更には、お世話を通して、自分の役割を持ち、自信や責任感などを養うこともできますし、家族内外の人同士のコミュニケーション機会を増やすこともできます。そして多くの場合、人よりも寿命の短いコンパニオンアニマルは、最後に「生命(いのち)」ということについても考え・学ぶ機会を与えてくれます。

このように、コンパニオンアニマルとの生活は、子どもの心身を豊かに育むことができます。しかし、動物たちが自ら子どもを育ててくれるわけではありません。動物の存在が子どもに良好に作用するように、親や周囲の大人たちが適切に導くことが重要です。そのためには、飼育する動物について正しい知識をもって、適正に飼育することが求められるということを知っておきましょう。

子どもと犬が一緒に暮らすために必要なこと

コンパニオンアニマルの中でも子どもと多様なコミュニケーションが可能なのは犬です。一緒にお散歩をしたり、おもちゃで遊んだり、ゆったりと寄り添ったり、芸をさせたり、楽しくアクティブに、あるいは穏やかに時間をともにすることができます。それでは、子どもと犬が一緒に暮らすために必要なことは何でしょうか。

まずは、当然のことですが量・栄養素ともに十分な食事と新鮮な水を与え、十分な運動量を確保し、日々の健康チェックと衛生状態の維持により、健康で清潔な犬と子どもがふれあえるようにします。とくに衛生状態については、感染症やアレルギーの予防のためにも適正にケアする必要があります。ブラッシングやシャンプー、ノミ・ダニの予防など犬自身の衛生ケアはもちろんですが、室内の掃除や換気など飼育している空間の衛生管理も大切です。そして、子どもには犬を触った後は手洗いをさせます。犬を不衛生に飼育していない限りは、犬由来の病気などに必要以上の危険を感じる必要はありません。
次に、犬が子どもとふれあえるようにトレーニングします。とくに犬が「子ども」という存在を受入れられるように慣れさせることが必要になります。基本的には日常生活をともにしていれば自然と慣れていくものですが、子どもが幼ければ幼いほど、大人は慎重に目を離さないことが大切です。安全を第一に考えるのであれば、乳幼児の寝床は犬には届かない位置・場所にしておくと良いですし、小学生(とくに低学年)くらいまでは親の目が届くところで犬との上手な接し方を教えながら、犬とのふれあいの機会を作ると良いです。この点も子どもと犬のどちらかが怖がったり、不安がったりしておらず、親(飼い主)が犬をコントロールできる状態にある限りには必要以上の危険を感じる必要はありません。
正しい知識をもって日々のお世話の一部を子どもと一緒に行い、大人が導きながら犬との良好なふれあいの機会を作ってあげることで、犬は子どもの“友達”・“兄弟”のような存在になってくれます。だからこそ、犬と子どもの関係を最初から良好に導けるように、犬を飼う前に(あるいは子どもが産まれる前に)一度専門家に相談をすることもお勧めです。